【吉岡桂子さんが『鉄道と愛国』で交通図書賞奨励賞を受賞!】
(財)交通協力会が主宰する第49回交通図書賞に、吉岡桂子さんの『鉄道と愛国 中国・アジア3万キロを列車で旅して考えた』(岩波書店)が受賞(奨励賞)し、3月27日に表彰式が行われました。
吉岡さんは朝日新聞で長く中国取材に携わり、多くの日中経済人を取材しての労作『人民元の興亡』などの著作があります。吉岡さんが日本の新幹線技術輸出の光と影を長く取材されていることを知っていたので、『東京人』2022年11月号の鉄道150周年特集「鉄道をつくった人びと」にご登場いただき、全体として成功したとは言えない新幹線輸出の興亡を、政治家や官僚などの、生々しい迫力をもったインタビューをもとにお書きいただきました。
ちょうど編集部近くのホテルエドモントでは「新幹線イヤー」を記念して、「はやぶさ」E5系運転台シミュレータを展示、これを体験できる宿泊プランを設けていました。実はこれ、インドや東南アジア諸国の政府要人に体験してもらい、売り込みを図る「尖兵」としてつくられたもの。インドのモディ首相が体験した筐体かも知れないのです。ホテルのご協力を得て、吉岡さんにその前に立っていただき、写真を撮影しました。
私たち日本人は「日本の鉄道技術は世界一」という神話を、主に新幹線から刷り込まれている感がありますが、世界的に見れば、その地位は安全・高速・高密度の輸送システムに限られ、もっと簡便な欧米の技術が中国に売り込まれ、中国は日本の技術も含めて急速にそれを吸収して自らのものにしています。『東京人』の特集として「日本の鉄道バンザイ!」で締めたくはありませんでした。最後に吉岡さんにお書きいただいたおかげで、「数多の鉄道150年特集の中で『東京人』が最高」との評価を複数いただきました。その発展形である『鉄道と愛国』の受賞を喜びたいと思います。
#東京人
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